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SARS(重症急性呼吸器症候群)

2003年2月、ベトナムに駐在していた世界保健機関(WHO)のイタリア人医師が、原因不明の肺炎の流行を察知し、報告。 これを受け、WHOが3月12日警報を発令。 新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)の恐ろしさが世界に知れ渡る事になった。 4月にはいり、研究者らは病原体が新種のコロナウィルスであることを突き止めた。 しかし感染を初期に診断する方法はなく、WHOは感染地域に10日以内に渡航したか、38度以上の発熱や咳などの症状があれば疑い例、さらに肺炎が確認された場合は可能性例として隔離や調査などを求めた。 WHOが流行の終息宣言を出す7月までに、32カ国で8000人を超える患者をだし、死者の数は800人近くにのぼった。 日本でも52人の疑い例と、16人の可能性例が報告されたがSARSであると認定された例はなかった。 SARSの流行は旅行業界をはじめ経済的にも影響を与え、アジア開発銀行は被害額が 約6.7兆円になるという試算を出している。

ハクビシン起源説

中国・広東省の食用動物市場にいたハクビシンとタヌキから、SARSウィルスとほぼ同一の遺伝子配列をもったウィルスが見つかった。 しかし、その後ハクビシン以外からも同じウィルスの遺伝子が見つかり、ハクビシンのウィルスに感染してもSARSのような症状は出ないことが判明。 紀元はまだわかっていないが、自然界の宿主からハクビシンやタヌキを経由して、人にうつってきた可能性が有力視されている。