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ヒトゲノム完全解読

人の遺伝子情報の全てを読み解くのがヒトゲノム計画。ゲノムとは、人の顔つきや体型、体質などを決めている遺伝子情報全般の事。 解読作業を進めてきた日米英など6カ国が解読を宣言。 ゲノムの実体は細胞の中にあるDNA(デオキシボ核酸)。アデニンなど4種類の塩基という物質が鎖状につながって遺伝情報を記録している。 解読では、この塩基配列を読み取る専用のDNA解読装置を使う。1990年代に高速の装置が開発されて、米民間企業も解読に参入。2000年6月にクリントン大統領が「概要版」の解読を宣言したが、全体の9割を読み取っただけで精度も粗かった。 今回の「完全版」では、概要版の10倍位上の高精度で読み取った。従来のものより詳しく 正確なゲノム情報が得られたことで、病気を起こす原因遺伝子の解明や新薬などの開発がいっそう進むと期待されている。 データはインターネット上で誰でも自由に利用できる。

塩基配列の解読が完了したといっても全てわかった訳ではない。

解読が完了したといっても全て理解できた訳ではない。 今後の研究は、文字の意味を読み解く研究、すなわち個々の遺伝子の働きや遺伝子間の相互作用の方に焦点が移っていく。体内では遺伝子がタンパク質をつくり、そのタンパク質が別の遺伝子やタンパク質に働きかける複雑なネットワークが生命を維持している。 病気の治療などにゲノム情報を活用するには、こうした仕組みの解明が欠かせない。