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第10次労災防止計画

厚生労働省は、労働災害防止の基本施策としてその時々の労災の動向を踏まえ、5年ごとに労働災害防止計画を定めている。第10次計画が2003年にスタートした。中小企業の安全水準向上、就業形態の多様化への対応、メンタルヘルスや過重労働対策などを重点課題としている。当初は多発する死傷災害の防止に重点が置かれていたが、72年に労働安全衛生法が施行されてから、より高い安全衛生水準の確保が課題となった。 従来の計画では、死亡者ゼロを目指すという原則から大幅な減少を目指すという表現がされてきたが、第10次計画では、年間1500人を大きく下回るという数値目標を設定。そして、メンタルヘルス施策も大きな柱のひとつだ。心の健康づくりや自殺予防のためのケア、相談体制整備を提唱。過労による健康障害の予防のため、長時間労働の排除や、産業医の助言による健康管理なども求めた。

第10次労災防止計画の問題点

第10次労災防止計画は安全文化の定着を提言する一方、具体的な方法については充分に示していない。 企業の自主努力に委ねられた形だ。第10次労働災害防止計画は必要な人材と、経費を確保することを企業に求めているが、その負担に耐えられない企業が増えているのが実情である。公費による専門家の派遣指導など支援を充実させる必要があるだろう。